トランプ本部からの帰路。突然、マリアはいいことを思いついたと手をたたいた。
マリア「ねえ、ユディ。ちょっとおみやげでも買っていかない?」
マリアの隣を歩くユディウスは名案だねと微笑んだ。
ユディウス「そうだね。会長と、ガルフと、やっくん(ヤクトミ)とゼミ生たちでいいかな?」
そうして、2人は城壁のように屈強な壁で囲われたグラブ・ダブ・ドリッブ魔導師協会管轄地区の入口にある部外者向けの売店へと足を伸ばした。
売店は部外者向けということもあり、陳列棚には観光地を意識した様々な商品が並んでいる。
マリア「あははははは! ちょっと、ユディ! 見てよコレ!」
マリアは目の前の棚を指差した。
ユディウス「あ! タペストリーとちょうちん、最新バージョンになってるね」
マリア「会長にはこれでいっかー」
ユディウス「マリアのおかけで会長、今のところすべてのバージョンをコンプリートしているね……たまには違うのにしてあげたら?」
※2人はことあるごとに周囲に土産を買っていく。
マリア「もはや恒例行事よね」
ユディウス「……わざとなんだ……」
マリア「あ! ちょっと! ユディ! 見て見て!」
ユディウス「あ、協会認定饅頭。残り2箱だ。売れているんだね」
マリア「あいつら(ゼミ生)にはこれでいっかー。あなたのとこも一緒でいいでしょ?」
ユディウス「うん。ところで、この店の菓子、これで4周目だよ?」
マリア「種類が多いから、忘れた頃にまたやってくるのよ。ちょうどいいわ」
ユディウス「……いい加減飽きてくると思うよ……」
マリア「タペストリとかちょうちんにばっかかまけてないで、こっち(菓子)を充実させなさいよって感じ!」
ユディウス「ハハ」
マリア「さて、最後はガルフとやっくん(ヤクトミ)にね。何がいいかしら?」
ユディウス「マリア! あっちに新製品コーナーができているよ」
マリア「本当だ! 行ってみましょ!」
協会認定新製品「ペットフードシリーズ」誕生!
マリア「……」
ユディウス「……」
マリア「お菓子じゃなく、新分野に乗り出したか」
ユディウス「まぁ、協会の外(世間)では空前のペットブームらしいですし」
マリアは棚からドッグフードを取り上げた。
マリア「ねえ……ガルフとやっくんのみやげ……」
ユディウス「また怒られますよ」
マリア「いいわね。じゃあネタってことで」
嬉々としてドッグフードを買い物かごにつめるマリアの様子に、ユディウスはようやくあることに気が付いた。
ユディウス「……(いつもガルフィンとのケンカで)反応楽しんでるのか……」

マリア「あー! 買った買った!」
ユディウス「ガルフとやっくん、早く帰ってくるといいね」
マリアは苦笑した。
マリア「素直にはそう思えないくせに」
ガルフィンとヤクトミが帰ってくる、それはW・B・アライランスの件が決着することを意味する。ユディウスは困ったように笑った。
ユディウス「そんなことはないよ。"スペリアル・マスターとして"ね」
マリア「はいはい」
涼やかな秋の風と、やわらかな陽光。まるで、何事もなかった日常のような。
――― the way back (閑話) ―――
2009.6.27 KurimCoroque(栗ムコロッケ)
2011.12.7(改)