
いつになく神妙な面持ちで、ロロは尋ねた。
ロロ「……どうしても行くのか」
問われた取り巻きは申し訳なさそうに答えた。
「ええ……すみません、ウーさん」
ロロの声が一層低くなった。
ロロ「どうしても行くというなら、おれを倒して行け」
取り巻きは慌てた。
「何言ってるんですか、そんなこと、できるわけがないじゃないですか」
ロロは顔をゆがめた。
ロロ「……なんだ、できねぇなら、なんで……」
「すみません……どうしても行かなければならないんです」
取り巻きはロロに背を向けた。
「……あの……ほんと、すぐ戻るんで。ただの夕飯の買い出しですから……」
ロロ「だめだ! 1秒たりともおれの眼の届かないとこに行くなんて!」
(はぁー!? 何言ってんの!? この人!)
べつの取り巻きが慣れた手つきでロロを引っ張った。
「はいはい、ウーさん、あっちで新しい紅茶開けましたから!」
(ほら! 今のうちに!)
(助かる!)
買い出しの取り巻きは振り払うように全速力で走り去った。
ロロ「新しいって……アレか! やっぱおれの趣味をよくわかってんなぁ! ……っておい! どこに行く!?」
「すぐ戻ってきますからー!」
その様子を遠く物陰から見つめる影――
「あれがロロ・ウー……探したぞ、"
――― 黒い三日月(Adagio) ―――
2010.1.9 KurimCoroque(栗ムコロッケ)
2012.8.13(改)