ムー大陸 とある国
深夜人通りのないスラム街
女が一人、キョロキョロと辺りを見回しながら歩いている。
「よう、ネエちゃん、こんな時間にこんなところで何してんだい?」
冒険者とおぼしき格好をした男が近寄ってきた。
女は助かったと困った笑顔を向けた。
「ちょっと行きたいところがあって、ここなんですけど」
女は地図を見せようと男に近づいた。
男は地図を覗き込む振りをして女の肩に手をかけようとした、その時だった。
パシッ
女の肩にかけようとしていた男の手を後ろから捻り上げる小さな手。
「いでぇ!」
男の後ろから地図を覗き込む赤毛の女。
赤毛「奇遇ですね〜、私も同じところを目指しているんですよ。よろしければご一緒しません?」
地図を持っていた女はニコリと微笑んだ。
女「ぜひお願いします」
赤毛は地図の女が刃物をしまうのを見逃さなかった。
男「覚えてろよ!!」
男は立ち去った。
赤毛(助けてやったのよ)
男の背中を見て、赤毛は溜め息をついた。
赤毛は地図の女に握手を求めた。
赤毛「リケよ」
地図の女は握手に応じた。
地図の女「エテルっス」
リケ「では向かいましょうか、ハンターズの裏ギルドへ」
――― N.B-Chase(とある路地裏にて) ―――
2010.10.2 KurimCoroque(栗ムコロッケ)