19.clush heart back


ムー大陸 ジャラル国 中北部 山合の宿場町

朝靄かかる早朝、

路地裏の地階より足取り軽く階段を昇る男。
階段を昇り終え、早朝の清々しい空気から身を隠すようにくたびれたコートを着直したその時だった。

「おい」

背後から声をかけられ振り向くと、数段下の階段に黒髪坊主の大男と赤毛の女。

「なんだい、あんたらも"欲しい"ってか、好きだねぇ」

その男は小太りで、ボロボロのハンチング帽を目深に被り、生気の無い笑みをたたえていた。

赤毛の女も微笑み返した。
赤毛「まずモノの質を確認したいんだけど、」
ハンチング帽の男はクックッと笑った。
ハンチング帽「安心しな、コイツは直に流行るから」
赤毛「そう、それじゃあ取引しましょう、お金はあるの。だからありったけを頂戴。」
ハンチング帽の男は手を叩いて大笑いした。
ハンチング帽「クレイジーな奴らだなぁ!気に入った!」
赤毛「村の外れに使われていない掘っ建て小屋を見つけたの、そこでいいかしら」
ハンチング帽「構わねぇ、ただもう日が昇っちまってるから、運ぶのが目立つ、夜でいいかい」
赤毛「では23時に」



―――― clush heart(相容れぬ意志) ――――



ハンターズギルド am10:00

赤毛の女――リケは目の前の黒髪坊主の大男トウジロウに呆れていた。
リケ「朝まで呑んでたのに…」
トウジロウ「喉渇いてん」
トウジロウは三杯目のジョッキを飲み干したところであった。
リケ「…夜まで寝ます」
トウジロウ「添い寝したろか?」
リケ「結構です!」

リケが去った後、さらに数杯酒を呑み、これから何をしようかと考えていたところだった。

ハンターズのドアが乱暴に開いた。

何やら訳のわからない言葉を発しながら男が一人、凶器を振り回しながら室内で暴れだした。
「わぁ!なんだコイツ!」
「取り押さえろ」
男は冒険者たちにあっという間に取り押さえられた。

トウジロウ(あいつは確か…)
昨晩裏ギルドで自分たちより先に"ギルティン"に接触していた男。
トウジロウはタバコをふかした。

出入口付近では、男が入ってきた瞬間に不意を突かれて襲われた冒険者が横たわっていた。
そのすぐ横で、仲間とおぼしき冒険者が泣き崩れていた。

他の冒険者たちが片付けに近づいた。
「まだ生きてる!」
「止血をすれば間に合うかもしれない!」
「この出血量じゃあ無理だろ」
「頸動脈をやられてる…」

「のけ」

冒険者たちが後ろを振り向くと黒髪坊主の大男。
一同(恐っ!!)

トウジロウは横たわる冒険者の首もとに手をかざし、呪文を唱えた。
すると傷口に霜が降り、出血が止まった。
トウジロウ「応急処置や、助かるかはここの医者次第やな」
「ま…魔導師だったのか」
トウジロウ「さっさと行け」
冒険者たちは横たわる男を抱えてギルドを出た。

「騒ぎはここかぁーー!!」

再びドアが乱暴に開き、中年の制服を着た男が現れた。
制服の男は出入口のすぐ横にいたトウジロウと目があった。
トウジロウ「あ゛ぁっ!?」
トウジロウは反射的に睨み返した。
「見るからに凶悪そうな男!!騒ぎの原因はお前かあ」
トウジロウ「なんやとコラァ!!」



        



掴み合い寸前の二人の間に割って入ったのはガタイのいい口髭の男――このハンターズの店長であった。

店長「保安官殿、この方は被害者の応急処置をしただけだ、犯人はあっち」
店長の指し示した先には数人に取り押さえられている男。
保安官と呼ばれた男は取り押さえられた男とトウジロウを交互に見やった。

保安官「はっはっはっはっ」
保安官はパンパンとトウジロウの肩を叩きながら取り押さえられている男のほうへ向かった。
その通り過ぎ様にトウジロウに向け一言。
保安官「お詫びしてやるから、ちょっとそこで待っとれ」
保安官の現行犯の引き渡し作業を尻目にトウジロウは店を出た。
トウジロウ(むっさいオッサンやったな)
トウジロウは道端に唾を吐いた。

しばらく町を歩き、リケ同様夜まで寝るかとも思ったが、どうにもその気になれない。
仕方なく道端で座り込んで町行く女たちの丈の短い"良い景色"を眺め始めた。
そうしてしばらくたった頃だった。
ふと目の前を"良い景色"から視界が遮られ、邪魔だと上を見上げると、そこには先ほどの保安官。

トウジロウ「ごっつ邪魔やねんけど」
保安官はニカッと笑うとトウジロウに焼きトウモロコシを差し出した。
保安官「ここのは美味いぞ!」
トウジロウ(何やねん!)
     「…そらおおきに」
保安官はトウジロウの隣に腰を下ろした。

ガシガシとトウモロコシを食べる互いの音が近い。
トウジロウ「これが詫びなら充分やで」
保安官「はっはっはっはっ!つれない奴だな、大人しく味わえ!」
トウジロウ「食うた、美味かったわ、以上」
ペロンと摘ままれた実のないトウモロコシを見、保安官は目を丸くした。
保安官「お前、トウモロコシ食べるの巧いな!」
トウジロウ「ハァ?」
保安官は笑いながら自分のトウモロコシを見せた。
トウジロウ「勿体無!アホちゃう!?めっちゃ食うとこ残ってんで!」
保安官「なにおう!?お前の食べ方がキレイさっぱりすぎなんだ!デカイなりして几帳面か!」
トウジロウ「やかましいわ!」

はたと気がつくと、周囲からクスクスと笑われていた。
「仲良いねぇ」
「保安官さんとやり合うなんて元気のいいやつだなあ」

トウジロウは落ち着かなかった。
トウジロウ「…なんやねん」
保安官「はっはっはっはっ」
気の良さそうな老夫婦が近付いた。
「この町に越してきた方?」
保安官「いや、ハンターズギルドで会った。旅人さんだ」
「残念だなあ!あんたみたいのがこいつの息子だったら、」
「あんた!」

その場に妙な空気が流れた。

「すまん」
保安官「はっはっはっは…気にするな!」
老夫婦はそそくさと去った。

トウジロウ「…」
トウジロウは煙草に火をつけた。

保安官「…昔、息子がいてな」
保安官は遠くを見つめた。
トウジロウ「誰も聞いてへんけど」

保安官はクワッとトウジロウを見た。
保安官「何!話せという空気ではなかったか!」
トウジロウ「俺ん中ではとっくに終わてたわ」
保安官「まあせっかくだから付き合え」
トウジロウ「めんどくさ!」
保安官「なんだとー!」

トウジロウはフーと煙をはいた。
トウジロウ「で、息子がなんやて?」
保安官「面倒くさいんじゃないのか」
トウジロウはニッと笑った。
トウジロウ「とか言うて実は夜までヒマやねん」

6年ほど前の話であった。
その時確かに息子は"いた"。
小さい頃から「お父さんのような保安官になりたい」と言っていた自慢の息子であった。
ある時期から裏ギルドの連中と付き合いだし、しばらくすると人が変わったように性格が激変した。
平気で親から金を奪い取り、思う通りにならないと簡単に暴力を振るうようになった。

自分の知っていた息子はいなくなった。
ほどなくして、息子は町から姿を消した。

トウジロウはあくびした。
トウジロウ「ま、よくある話やな」
保安官「風の噂だが、パンゲア大陸に渡ったらしくてな」

保安官はただ町行く人々の流れを見つめた。
保安官「イワンと言う。もし旅先で出会ったら、文の一つでもよこせと言っていたと伝えてくれ」
トウジロウは煙草を地面に押し付けた。
トウジロウ「残念やな、旅はこの国で終わりやねん」
保安官「そうか」

トウジロウは立ち上がり、尻の砂を払った。
トウジロウ「退屈な話聞いてたら眠なった、宿戻るわ」
保安官も立ち上がるとポンとトウジロウの肩を叩き、踵を返した。
保安官「達者でな」

トウジロウはしばらく保安官の背中を見つめていた。
トウジロウ("父親"な…いろんなのがおるもんや)
トウジロウは宿へ向かった。




        
        
        

リケ「そろそろね」
リケは時計を確認しながら呟いた。
隣で頭を抱えながらしゃがみこむトウジロウからは返事の一つもない。
リケは溜め息をついた。
リケ「朝っぱらからジョッキビールなんて何杯も飲むからですよ」
トウジロウ「ちょ、黙てて」

町外れの、今は使われていない掘っ建て小屋。
元の持ち主が倉庫に使っていたのか、耕具や箱が積み上げられていた。

PM 23:00

辺りは月明かりのみ、眼下に町を見下ろす小さな丘の上、
回りは疎らな木々に囲まれており、注意して見なければ人がうろついていることには気づかない。

「待たせたな」

掘っ建て小屋のドアが開き、
ハンチング帽を目深にくたびれたコートを着込んだ小太りの男。

ハンチング帽の男はニヤリと笑い、外に親指を向けた。
ハンチング「この小せぇ小屋に入る量じゃなくてな」

外には荷車に積み上げられた大量の木箱。

リケ「中身を確認しても?」
リケは木箱の一つの蓋を開けた。
中には大量の小瓶。
小瓶には小さなラムネ菓子が詰まっていた。

次にリケはハンチング帽の男の胸元を見た。
魔導師バッチはない。コートの下か?

リケ(…)
  「確かに」

ハンチング帽子の男はニヤリと笑うと月明かりを背に、荷車に積まれた木箱の上にどかりと腰かけた。
ハンチング「それなら次にお値段の交渉だが」

トウジロウ「なあ」

小屋の外壁を背もたれにしゃがみこみ、様子を伺っていたトウジロウは、煙草に火をつけ煙を吐いた。
トウジロウ「噂で聞いたで、自分ほんまに魔導師なん?」
ハンチング「おっ?」
トウジロウ「最近"ホンマもんのラムネ菓子"掴まされてボクら人間不審やねん」
ハンチング帽の男は鼻で笑った。
ハンチング「なんだ、パチモンだと疑ってるってか?」

いいだろう、とハンチング帽の男はコートを脱いだ。
そのコートの下からはキラリと光る3つの魔導師バッチ。
ハンチング「こいつが"品質保証"だ」
トウジロウ「あ゛ん?みっつ?」
ハンチング「位が高い魔導師はバッチが増えるのさ」
トウジロウは膝の上に頬杖をつきニヤニヤと笑った。
トウジロウ「ほ〜」

リケ「それは知らなかったね」

言いながらモゾモゾと胸元で手を動かす赤毛の女の、手が胸元から離れた瞬間、
ハンチング帽子の男の顔から笑みが消えた。

リケ「では私たちはバッチひとつなので大した魔導師じゃあありませんね」
キラキラと金色に輝く竜と剣の紋章。

リケはニコリと微笑んだ。
トウジロウ「残念やな〜、そのコートの下見せびらかさへんやったら、俺ら捕まえる権利無かってんけど」
※トランプは一般人を捕らえる権利がない
リケ「ギルティンさん、魔導師詐称とバッチ不正使用の現行犯です」

ハンチング帽の男はハンと鼻で笑った。
ハンチング「トランプか」

その口の端はつり上がった。



        
        
        
        
        
ハンチング「俺を捕まえて、その後はどうするんだ?」
リケ「その後?」
ハンチング帽の男の質問の意図がわかりかねた。

リケの様子を早々に見かね、ハンチング帽の男は木箱の上に立ち、両腕を広げた。
ハンチング「後は後さ。俺を捕まえても"免罪符"は広まり続ける」
リケ「そうね、止めなければ。ただそれは我々の仕事ではないわ」
ハンチング帽子の男は声をあげて笑った。
ハンチング「はぁーっはっは!やっぱりな!やっぱりそうだ!」
リケ「何!?」

ハンチング帽の男は勝ち誇ったようにリケを見下ろした。
ハンチング「魔導師は他人の命なんざこれっぽっちも何とも思ってねぇ!」
リケ「…!!」

トウジロウはくわえたタバコから今にも落ちそうな灰に気にも止めず立ち上がった。
トウジロウ「リケ」
リケ「…ええ」
リケはハンチング帽の男から視線を外さず後ずさった。

ハンチング帽の男の身体がボコボコと波打った。

ハンチング「マドウシミナゴロス」

ハンチング帽の男の紅く光る瞳とリケとの目があった。

ドガァン!

ヒラリと宙を舞うリケ。
リケが立っていた場所にめり込むハンチング帽の男の腕。

リケが着地した瞬間。

「魔導師なんざ亀だな」

リケ「!?」

背後にハンチング帽の男。

振り下ろされた腕。

ガッ…!!

ハンチング帽の男の手には黒い鞘。

鞘の先を辿るとゴツゴツとした大きな手。

ハンチング「こんな細ェ剣で受け止めるたぁな、特別製かい?」
トウジロウ「特別なんは俺や」

ハンチング帽の男はそのまま鞘を握り締め、トウジロウから奪おうとした。
だが、どうしたことか、ビクともしない。
力を入れた拍子に、カチリ、と僅かに鞘が動き、白刃が覗いた。

トウジロウ「抜いたら終わるで」

背筋から脳天にかけて痺れるような寒気。
ハンチング帽の男は息をするのも忘れ、掘っ建て小屋の屋根へ飛び退いた。

リケはハンチング帽の男を見上げた。
リケ「…ひとっ飛びで小屋の上…地面を抉る怪力…トウジロウさん!」
リケは隣のトウジロウを見上げた。
トウジロウは新しいタバコに火をつけ、ハンチング帽の男に目をやるとニヤリと笑った。

リケは再びハンチング帽の男を見上げた。
リケ「あなた、"その人"の"身体を乗っ取って"、何するつもり!!」

ハンチング帽の男は見下したように笑った。
その目は紅く光続けている。
ハンチング「俺の身体を乗っ取る?何言ってんだ、てめぇは」
リケ「…質問を変えるわ、あなた、悪魔ね」
ハンチング帽の男は腹を抱えて笑った。
ハンチング「悪魔だと?俺がぁ!?ハハハ!バカかてめぇ!」

トウジロウ「リケは〜ん、どないしまひょ。ボクら完っ全アホ扱いでっせ〜」
リケ「きちんと状況を把握しないと、手遅れになってからでは遅いわ」
トウジロウ「状況把握?必要あれへんがな」
トウジロウは剣を肩に担いだ。

次の瞬間、
次の言葉を伺おうとリケが見上げたその場所にトウジロウの姿は無かった。

トウジロウ「とっとと取っ捕まえらええねん!」
ハンチング「!!」

トウジロウはハンチング帽の男目掛け屋根に飛び乗ると鞘に納まったままの剣を袈裟斬りに振り下ろした。
ハンチング帽の男は足が絡まり後ろへ転がった。

ヴォン、という音を立てて、鞘は宙を切った。

仰向けのハンチング帽の男に鞘の先端が振り下ろされる。

リケ「風縛結界ワ・アール」

ハンチング帽の男の周囲に激しい風が繭状に渦巻き、ハンチング帽の男はふわりと浮いた。
リケ「そこまでですよ、トウジロウさん」

トウジロウ「…」
トウジロウはハンチング帽の男から視線を外さず数歩下がった。

ハンチング帽の男を包むように渦巻く風にはキラキラと光の粒が混じっていた。
リケ「大丈夫ですよ、"ユニコーンの血清"を混ぜていますから」

トウジロウ「…まだや」
リケ「え…」




        



次の瞬間、バキという音とともにトウジロウが姿を消した。
併せてズシーンという痛そうな音。
トウジロウ「痛ってぇ!」
トウジロウの重みに耐え兼ね、掘っ建て小屋の屋根が抜けたらしい。
リケ「トウジロウさん」

風が止んだ。

リケ「!!」
ハンチング帽の男の姿が無い。

ガキィン!!

リケは腕だけ背後に回し、持っていた短剣でハンチング帽の男の手を受け止めた。
リケ「あなた背後狙いばかりね、懸命だけど、もう通じない」
ハンチング「なんだ、"そいつ"も特別製かい」

ギャン、という固いものが激しく擦れる音を立て、リケとハンチング帽の男は互いに距離を取った。

リケ「…!」
目の前に映るハンチング帽の男の姿は最早人間のものではなかった。

口は大きくせりだし、耳の向こうまで裂け、
ギョロリと飛び出した巨大な目は左右別々にギョロギョロと動き回り、
体表はヌルヌルとした粘膜に覆われていた。

ハンチング「魔導師は殺す!!」
リケ「悪魔合体イクセスブレイク!?」

リケが息を飲む間もなく、ギョロリとした目玉がリケの顔の前に詰めてきた。

リケ(はや)

ハンチング「いっくら道具が特別製でも、持ち主が生身の人間なら意味ねぇな」

鋭い爪がリケを襲った。

ガキッ

ギチギチと爪と短剣が拮抗する。
ハンチング帽の男は笑った。
ハンチング「人間じゃねえか、魔導師だな」
リケ「魔導師も人間よ」
ハンチング「ふざけんな!」
ハンチング帽の男が声を張り上げたのと同時に魔力の衝撃波がリケを襲った。

リケの身体は大きく吹き飛んだが、クルリと体制を整え、ズザァと土煙を巻き上げながら着地した。
リケ「う…」
  (気持ち悪い…こりゃあアテられたな)

ハンチング「ハハハ!どうした、フラフラじゃねぇか!」

リケは短剣を握り直した。
すると、短剣から炎が噴き出し、その炎は短剣の刃を伝うと、更にその先へ、短剣は炎の大剣と化した。

ハンチング「なんだあ?」

――"アーティファクト"ラハト・ケレブ…!!――

リケ「ふー…」
リケはムクリと起き上がった。
リケ「悪魔合体イクセスブレイクを解除して」
リケは炎の剣をハンチング帽の男に向けた。

ハンチング「ハン、そんな"松明"脅しになるかよ」

だがどうしたことか、身体が動かない。
ハンチング「おい悪魔!何びびってんだよ!」
リケ(契約悪魔がアーティファクトと戦うのを拒絶してるんだ…どうかこのまま、余計な血を流させないで…!!)
悪魔の生の魔力を正面から浴び、リケの意識は朦朧としていた。
だが、できうることなら、このアーティファクトを使いたくない。
穏便に済ませたい。

ハンチング「うるせえぇええぇ!!魔導師は殺すっつったら殺すんだよ!!」

地面に足がめり込むほどの強烈な踏み込み、音速で詰められた間合い、

ガキィン!!

鋭い爪が炎の剣に埋もれていく、その端から黒い煙が噴き出した。――瘴気だった。
リケは袖で口と鼻を覆った。

リケ「なぜそこまで魔導師を怨むの!!」
ハンチング「オ前ラハおレの妹ヲ殺しタァ!!」
リケ(魔導師の…殺し!?)
  「どこで!?いつの事件!?」
ハンチング「"事件"なんて言葉デ片付けンジャねぇエ!!」

競り負ける、そう感じたリケは後ろに飛んで距離を置いた。

リケ「ごめんなさい、無神経な発言で悪かったわ。
   私はトランプで諜報をしているの、妹さんのこと、何か知っているかもしれない」

ハンチング「コろす…殺ス」

ハンチング帽の男は目を白向き、鼻水と涎を垂らしたまま、フラフラとしている。
そのままなんの前触れもなくリケに飛びかかった。
リケ「話を聞いて!!」




        
        
        
  
  ドガッ

リケの目前まで詰めてきていたハンチング帽の男は大きく横の雑木林に吹き飛んだ。
バキバキと草木がなぎ倒される音が続いた。

トウジロウ「無駄やろ」

リケの目の前、ハンチング帽の男が飛びかかりかけていた位置にはトウジロウの足。

リケ「トウジロウさん、待って、まだ、」

トウジロウ「そう言うやろ思て黙って見ててん、それでいて無駄や判断した、あきらめろ」
リケ「魔導師事件の被害者かもしれないのよ…!!」

リケはフラリとバランスを崩した。

リケ「…瘴気を少し吸ったみたい」
トウジロウ「ま、悪魔は専門外やしなぁ、こら割増給もらわなきっついで」

「ほな、リケはんは戦闘不能っちゅーことで」とトウジロウはリケからアーティファクトを取り上げた。
リケ「ちょっ…自分のは!?」
トウジロウ「抜く価値ない」

ラハト・ケレブの炎はリケがふらついた瞬間失われていた。
リケ「アーティファクトは主人以外が使うのは危険…」

ボゴウゥウ!!

勢いよくラハト・ケレブに再び炎が灯った。

リケ「う…うそでしょ…従えた…!」
リケはゴクリと唾を飲み込んだ。
――これが…"千年に一度の天才"市松桃次郎…――

トウジロウは雑木林を見つめ、ニヤリと笑った。
トウジロウ「俺のターンや」






        



ジャラル国中部 山中。

緑が鬱蒼と生い茂り、踏みしめる土は軟らかく、
空気を吸い込めばそれら土と緑のむせかえるような香りが鼻孔に広がる。

木々の隙間から所々光が差し、ゆらゆらゆれる斑模様は見ていて飽きない、よしのはそう思った。

だが同じく地面を見ながら歩いていたエオルは別のものを見ていた。

エオル「…鹿の足跡だね、四頭」
並んで歩くエオルとよしのの随分先を、ポケットに手を突っ込み口笛を歩きながら歩いていたフィードも下を見た。
フィード「のわっ!鹿のウンコ踏んだ〜!」
奴らめ、と逆恨むフィードを横目にエオルは提案した。
エオル「ルート外さない?」
それは、自分達の命を狙っている賞金稼ぎ"狂犬"ハイジとの鉢合わせを懸念してのことであった。

フィードは鼻で笑った。
フィード「なぁんで俺様らが道を譲ってやんなきゃなんねーんだよ」
エオル「妙な意地張んないでよ」
エオルはチラリとよしのを見た。
それに気がつきフィードもよしのを見た。

フィード「それもそうだな」

先日のフィードとハイジの一戦で、
ケンカの仲裁に割って入ったよしのは危うくハイジに斬られかけたのだ、
二人の魔導師にとってこれ程恐ろしいことは無かった。
よしの「???」
クリスはよしのの腕の中で欠伸した。

エオルは地図を広げた。
エオル「ちょっと行ったら道が3つに分かれてるな…」
フィード「じゃあそこで道決めようぜ」

しばらく進むと、地図通り道が3つに分かれていた。

右の道は木々がより深くなり、薄暗い道。
左の道は視界が開け、岩場の道。
中央の道は

フィード「論外だな」
左右の道が上向いているのに対し、その道は下っていた。

エオル「鹿の足跡はと…」
左の道を選んだようだった。
エオル「…そりゃそうっすね」
一行は必然的に右の道を選んだ。

怪しい虫や動物の鳴き声が響き渡り、木々は正にトンネル、
先ほどまで差していた陽射しは無くなり、昼間だというのにその道は黄昏のように暗かった。
フィード「本当に山かよ!ジャングルじゃねーの!?」
エオル「多分山の中腹をずっと行くルートなんだろうね、ジメジメしてるから、滑って転ばないようにね!」
よしの「きゃっ!」
フィードはヤレヤレと振り返った。
フィード「だーから言わんこっちゃねぇ」
エオルも慌てて隣を見た。
エオル「ごめん、もっと早く言えば…」

二人の視線の先によしのの姿はなかった。
フィード「…」
エオル「…」

フィード&エオル「またはぐれたーーーーー」

フィード「ちょっ!あのバカどこだよ!!」
エオル「よしのさんっ!!」




        



――…フィード様ーエオル様ー

どこからか微かに聞こえるよしのの声。
フィード「…」
エオル「え…ここ!?よ、よしのさーん!!?」

――…はーい

二人の魔導師が覗き込むのは大きな木の根元…の子ども一人分くらいの穴。エオルは穴の中に語りかけた。
エオル「怪我はーっ!?」

――…大丈夫ですー

エオル「登ってこれそうー?」

…
…
…ズルッ、ドテッ

――…申し訳ありませんっ土が滑ってしまって無理ですー

エオルはフィードを見た。
エオル「…俺確実にこの穴通れないんだけど(←身長180センチでガタイがいい)、
    フィードなら通れるんじゃない?よしのさん抱えて登ってきてよ」
フィード「しょーがねーなァ」(←身長160センチで小柄)
フィードは「よっ」と穴に足を入れ、ズルズルと身体を入れていったが、
フィード「…ダメだ、つっかかって入んねぇ」
エオルは慌てた。
エオル「何こんなときに肩幅見栄張ってんのっ!!
    背丈よしのさんとそうかわらないんだから、よしのさんが通れて君が通れないわけないでしょーっ!」
エオルはフィードの頭をグイグイ押し込んだ。
フィード「痛ぇよバカヤローッ、通れねぇーもんは通れねぇんだよっ!!」
エオル「…無駄に体鍛えてるから…」
フィード「エオルてめー後でブッ殺す」

フィードはよいしょと穴から這い上がった。
エオル「困ったね、君の魔法で穴広げるのは?」
フィード「よしのを生き埋めにする自信がある」
エオル「そんな自信いらない」

――フィード様、エオル様、道があるので進んでみます〜

エオル「道があるの!?」
エオルは地図を広げた。
フィード「もしかしてさっきの"真ん中"の道に落ちたってことか?」
エオル「かもね、よしのさーん、その道ってどんな道ー?」

――下っています〜

エオル「戻ろう!」
フィード「はー…めんどくせぇ」

――間――

エオル「…」
フィード「おいおい…」

来た道を戻り3つの道のうちの真ん中の道を進んだ二人の魔導師はしばらく進んでその歩みを止めた。

道が途中から無い。すぐとなりは切り立った崖。
山道は山崩れで流されたようだった。
おまけに霧が濃く、向こう岸が見えないため、飛び越えようにもあまりに危険だった。

霧の向こうからよしのの声が聞こえた。

――先に進んでみます〜!山を越えるのが目的ですし、進めば合流できるのではないでしょうか〜!

エオルは再び地図を広げた。
確かに、自分たちが選んだ道は、よしのが落ちた道と運良く繋がっているようだった。
エオル「でも…」
フィードは両手を口の横に当てた。
フィード「よしっ、んーなら進んだ先で道がぶつかるから、そこで合流だっ!クリス!いんだろっ!?」

――…よしのちゃん、ようやく二人っきりだね

フィード「…よしの、手前の崖からソイツを落っことせ」

――任せろガキどもっ!よしのちゃんの身の安全は俺が保証するっ

エオル「いや、まったく説得力ないんだけど」
フィード「…仕方ねぇ、こうなりゃ合流地点まで急ぐぞ!」






        


深い霧、暫く進むと左側に広がっていた崖は無くなり、
右手は湿った土の壁、左手は岩の壁に挟まれた一本道になった。

よしの「…くしゅん」
よしのは鼻をすすった。
クリス「あ!寒いもんね」
クリスはよしのの腕の中から肩に登り、よしのの首に巻き付いた。
クリス「暖めてあげる♡」
よしの「ありがとう、クリスちゃん」
クリス「…それと、ちょっと先に人間の気配がするね」
よしの「反対側からいらした方でしょうか!道が無くなっていることをお伝えしないとっ」
クリス「よしのちゃん優し〜♡」

少し進むと、元居た道同様深い森が広がっていた。
よしのは辺りをキョロキョロと見回した。

「おーい」

遠くで甲高い声。
どこかで聞き覚えがあるような…よしのは声の方へ急いだ。

岩の壁を見上げながら少年はつぶやいた。
「弱ったな〜どうしよっか」

背後からガサガサと繁みを揺さぶる音。
「うわっモンスター!?」

繁みをかき分け顔を出したよしのは目の前の人間を見て固まった。

「あっ!この間のお姉ちゃん!?」
先日廃村で出くわした巡礼の少年と、その隣に立つ黒衣の仮面の男。

よしの(あの怖いかたもいらっしゃいます…)
よしのは慌てた。

ハニア「他のお兄ちゃんたちは?」

――間――

ハニア「えーっ?俺たちと一緒じゃん」
よしの「ハニア様も落ちてこられたのですか」
ハニアは照れ臭そうに笑った。
ハニア「よしてよ"様"なんて」
よしのはハニアの背後の岩の壁を見上げた。
霧が濃いせいか、山道は見えなかったが、かなりの高さがあることは窺えた。
よしの「あの…お怪我は」
ハニアはハイジを見上げた。
ハニア「ハイジが抱えて着地してくれたから」

岩場の道は足場が悪く、鹿から降りて進んでいたが、
足を滑らせ崖から落下したハニアを追ってハイジも飛び降り、ハニアを抱えて着地した、
というのが事の次第であった。

よしのはそれこそ崖から飛び降りる気持ちでハイジを見た。
よしの「ハ…ハイジさん…えと、その…お、お怪我は」
クリス「よしのちゃんビビりすぎ」
ハイジはよしのと目を合わせると、静かに微笑んで首を振った。

ハニア「でも困ったな…どうやって上まで登ろう」
濃霧のため、岩は滑りやすくなっており、登るのは非常に危険であることがよしのでも見てとれた。
ハイジはハニアを背負い、岩の壁をひょいひょいと登っていった。

よしのは先ほど穴をよじ登ろうとして滑り落ちた自分を思い出した。
よしの「待ってください」

ハイジは片腕でブラブラと岩にぶら下がりながらよしのを見下ろした。
よしの「滑って落ちたら危ないです」
ハイジはチラリと背中にしがみつくハニアを見、岩から手を離して着地した。

ハイジはよしのを見つめた。
よしの「えーっと…」
クリス(蛇に睨まれたカエル…)
   「どれ、ちょっと地の精霊に聞いてやろう」

クリスはよしのの首から飛び降り地面に座り込んだ。
ハニア「タヌキって精霊とお話できるんだ」
クリス「タヌキじゃねーっつってんだろがクソガキ」
ハニア「わあ!またしゃべったあ!」

暫くの沈黙の後、クリスはよしのを見上げた。
クリス「ここから先、岩場の道はこの道と合流はしないけど霧が晴れた辺りで、岩場の道との高さが縮まる」
クリスはハイジを汚物を見るような目で見上げた。
クリス「まっ、そこからせいぜいナメクジみたいに這い上がるんだな」
ハニアはクリスをポカポカと叩いた。
ハニア「なんだよこのタヌキめっ」
クリス「いてててっ!おまっ、俺を誰だと思ってんだ!」

ハイジはクリスの前に両膝をつき、膝の上で拳を握るとペコリと頭を下げた。
ハニア「…もーっ!素直すぎっ!」
よしの(す…すなお…!?)

ハイジは歩きだした。
ハニアも後を追って進み出した。
当然よしのも、
クリス「なんであんな奴らに着いてくのっ!!」
よしの「方向が同じですし…」
三人と一匹は山道を進み続けた。

やがて霧が晴れぬまま夜となり、三人と一匹は火を囲んだ。
ハニア「は〜…お腹空いた…」
ポツリとハニアが呟いた。
よしの「…あわわ、ごめんなさい、何か持っていれば…」

ハイジはおもむろに長ドスを手にし、繁みの奥へと消えていった。
ハニアは慌ててよしのにしがみついた。
ハニア「モンスターでもいたのかな…」

辺りは静まりかえった。



――間――

ハニア「…戻ってこないし…」
よしの「…ハニアさんは…」

ハニアはよしのを見た。
よしの「…ハイジさんと仲が良ろしいのですね」

ハニアは笑った。
ハニア「無口だけどさ、優しいし、俺たち家族を守ってくれるし、旅の知識豊富だから頼りになるし、
    それにああ見えて結構おっちょこちょいだから面白いんだよ?」
よしの「そ…そうなのですか…」
よしのは俯いた。

ハニアは頬杖をついた。
ハニア「…怖いんだ?」
よしのはギクリとした。
あれだけ慕っているこの少年に対し、失礼だと感じたためだ。

ハニアは落ちていた木の枝で地面に落書きを始めた。
ハニア「そりゃあね、…犯罪者に対してはちょっと怖いかも…こないだの、よしの姉ちゃんの仲間に対してとか」
よしのは何度も頷いた。
ハニア「ま、でもそれ以外は普通だよ?」

よしの「…それが理解できなくて…」
ハニアはキョトンとよしのを見た。
ハニア「理解?ハイジを?」
よしの「はい…」

ハニアは落書きを続けた。
ハニア「ま、相容れないってことはあるからね、仕方ないと思うよ」
よしの「…"相容れない"…?」

そんなことあるのだろうか、
頑張れば、誰とだって仲良くできるものではないだろうか。

よしのの不満そうな顔にハニアは再び笑った。
ハニア「実はこれ父さんの受け売り。よしの姉ちゃん、俺と考え方似てるね」

…ガサッ
繁みが揺れる音。

ハニアは飛び上がった。

繁みをかき分け現れたのはハイジ。

ハニアは突っ伏した。
ハニア「脅かさないでよ〜…」
ハイジはドサドサと何かを火の中に投げ入れた。
兎ほどの大きさのモンスターだった。
ハニアは腹が減ったと呟いたのを思い出した。
ハニア「ありがとうハイジ!」

兎は四頭あった。
よしの「…」
ハニア「たぶんこれ、よしの姉ちゃんとタヌキの分だよ」
クリス「タヌキじゃねぇっつってんだろ」
よしのは火加減をみていたハイジを見た。
よしの「あ…ありがとうございます」
ハイジは少し吃驚したようによしのを見ると、ニコリと微笑んで会釈した。
よしのはハイジの横顔をじっと見つめた。
よしの(…私決めました。"相容れないなんてことはない"、そのことを証明してみせますわ!)

ハニア「…なんか、よしの姉ちゃんの背中に炎が見える…」





        


――翌朝、三人と一匹は黙々と道を進んでいた。

よしのは前を歩くハイジの隣に立った。

よしの「ハイジさんはおいくつですの」
ハイジはチラリとよしのを見た。
よしの(うっ…)

そうして視線を今度は霧しか見えない空に向け、それから再びよしのを見た。
ハイジ「…」
よしの「…はっ!もしかして伺ってはいけませんでした!?」
ハイジは首を横に振った。
よしの「…?」
ハイジは気恥ずかしそうに笑った。
よしの「…もしかして、お分かりにならない…とか?」
言ってしまってよしのはギクリとした。
よしの「ごごごごめんなさい、そんなこと、失礼にもほど…」

ハイジはコクリと頷いた。

よしのは再び視線を前に戻した仮面の男をキョトンと見上げた。
ハニア「わかんないっていうか、数えてないんじゃないの?
    変なとこ几帳面で変なとこズボラなんだよ、ハイジって」
よしのは思わず笑った。
ハニア「あはは、ハイジ笑われてやんの」
よしの「ちちち違います」

それからいくつか、同じような問答を繰り返し、よしのは思った。
よしの(…全部"知らない"か"忘れた"です…)
そうして自分の前方でハイジにじゃれつくハニアを見た。
よしの(ハニアさんは…ハイジさんの言いたいことをよく理解しておいでです、
    だけど、伝えたいことがわかるのであって、ハイジさんの人となりをご存知ではない…
    何故ならハイジさんはご自分のことを見せないから…)
よしのは俯いた。

クリス「それはね、よしのちゃん」

よしのは自分の腕の中で丸まるクリスを見た。
クリス「あの男は仕事だと割りきっているからさ、
    ただ単に愛想も、親切も、全部仕事以前の当たり前のこと。
    それ以上距離を縮める必要が無いと考えているのさ。
    まあ、今の会話の回答は全部本当みたいだけど」

よしのは再び俯いた。
たしかにいくら会話を交わしても近付いた気がしなかった。
よしの「…悲しいです」
クリス「あのクソガキが仲良さそうに"見える"のは単にクソガキが人懐っこいだけだよ」
クリスはニヤリと笑った。
クリス「"常軌を逸したヤツ"ってのは、"普通の人間"には理解できないもんさ。
    理解できないから怖い、よしのちゃんのはそれ、どうってことないよ」
よしの「…」
クリス「フィードのバカも言ってたでしょ?あいつはああいうやつなんだ、それ以上でも以下でもない」
よしのは唇をかみしめた。
よしの「…私諦めません」
クリスは欠伸した。
クリス「まあ頑張って、また慰めてあげるから」

霧が晴れかけてきた、わずかに太陽の温もりを感じる。

ハイジは足を止めた。

ハニア「ハイジ?」
よしの「…?」
よしのはハイジの視線の先に目をやった。


「よしのさん!」
霧の向こうから聞き慣れた声、見慣れた金髪。

よしの「エオル様!」

その時、よしのはハイジの顔つきが変わるのを見た。
目は爛々と輝き、ニタリと笑うまさにエモノを手に入れた"犬"。

ハニア「ちょっと、ハイジ!」
ハイジは長ドスに手をかけた。

視線の先にはこの霧でもすぐにわかる黒づくめ、真っ赤な瞳。
「まーた出やがったな」
よしの「フィード様!!」
フィードはニヤリと笑い、指をボキボキと鳴らした。

フィード「狂犬」

今にもエモノに飛びかからんとするその"犬"は、逸る気持ちを抑えるかのようにペロリと舌なめずりをした。




        
        
        
KT … カイセツ(K)とツッコミ(T)
      またの名を
      カユイ(K)ところにテ(T)がとどく


      
       
p.2    ■良い景色
    街ゆく女性たちから白い目で見られてます。
    
    ■おおきに
    関西の人って使うのかな?
    
    ■トウモロコシの食べ方
    几帳面だからキレイに食べたわけではないのですが、
    まあ、育ちに起因したものです。
    
    ■旅はこの国で終わり
    こういうことを言うとだいたい展開に裏切られますよね。
       

p.3    ■頭を抱えながら
    二日酔いです。本当に不真面目な奴です。

       
p.5    ■悪魔合体
    トランプは犯罪魔導師を捕まえるのが仕事ですが、
    中には悪魔契約関連のトラブルも少なくないため対悪魔の経験は豊富です。
    
    ■アテられた
    たとえて言うなら、、、悪い電磁波とか気とかなんかそんなものを受けた、みたいなイメージ。
       

p.7    ■またはぐれた。
    以前も雪山でよしのははぐれています。
    登山は一行にとって鬼門ですね。


p.8    ■通れねぇ
    フィードは小柄ですが、細マッチョなのでよしのよりは太い(固い?)ようです。
    ちなみに
    フィード 160cm
    エオル  180.3cm
    よしの  155cm
    なお、エオルの180".3"は約8年前(作者が高校生のころ)にエオルファンの子によって決められた値です。
    なんで.3なんだろな?
       
       
p.9    ■地の精霊に聞いてやろう
    よしのだからサービスしてます。


p.10   ■霧の向こうから聞き慣れた声
    合流地点まで行って、真ん中の道をそのまま逆走してきました。
    かなり全速力でした。
       
       
       2010.11.27 KurimCoroque(栗ムコロッケ)